中古品との「出会い」を楽しもう

中古品との「出会い」を楽しもう

 

 

皆さん、中古品を買うことはありますか?
もしあるとしたら、購入する決め手は何でしょう?

「まず価格」という方が、いちばん多いかもしれません。
しかしただ安ければいいわけではなく、その次に重要なのは状態や付属品の内容。安くてもボロボロは遠慮したいという方も多いでしょう。
表示価格と定価を照らし合わせ、状態などを天秤にかけて購入するかどうかを決める……そうした考え方が、中古品購入では一般的ではないでしょうか。
あるいは限定品や希少品など、出荷数の少ない品物であれば、状態にはだいぶ目をつむり、価格も度外視する方も多いかもしれません。それは価格や状態などよりも、その品物が存在していること自体が貴重だからこそ。
中古購入の楽しさは、そうした自分の「価値観の天秤」を傾けることだと思います。
たまたま寄ったお店や、足しげくチェックするお店、そうしたお店に行ったタイミングに「たまたま」遭遇できた中古品。
そこで自分の価値観の天秤を傾けて購入するかどうかを考え、決断する。
でもひょっとしたら、別の店に行けばもっと安く売っているかもしれない。この店でも、次に来た時には値引きされているかもしれない。
それじゃあ、今この店で買うべきか? それとも、見過ごして次の機会をうかがうべきか?
……こうした悩みと決断こそが、中古品購入の醍醐味とも言える部分です。

淡い期待を抱いて別の店に行ってみたら、同じ品物はなかった。その代わり、別に気になる品物があって、そちらが前の店にないかが気になってしまった。
しかし時間が遅かったので、日を改めて最初の店に来店したら……ない。どちらもない。最初に気になったものもなくなっている。
店員さんに聞いたら「売れちゃいましたよ」との返事。次にいつ入るか、と聞いてみても「いやぁ、中古品ですからねぇ。お客様がいつ何を持ってきてくれるか、わかりませんから……」

これが、中古の怖いところです。
中古品は常に「1点モノ」なので、もしもそれを欲しがっている方が来店し、買ってしまえば在庫はなくなる。メーカーや業者からの仕入れ品ではないので、他のお客様が持ってきて売却しない限り、再入荷の予定もない。その可能性はあるかと聞かれても、それは偶然の可能性なので、約束できるものでもない……。
それでは「取り置き」してもらったらどうか? そう考える方も多いでしょう。取り置きしてもらってから他店と見比べて検討し、自分の財布事情とも相談して、改めて購入しよう。もし入荷したら連絡してもらおう……と。
しかし中古業界では、多くのお店が「お取り置き・手付金・予約などはお断り」ではないかと思います。小規模店舗などはご近所様との交流も兼ねておこなっている店もあるかと思いますが、グループ展開しているような大きなお店は、ほぼ「その場での購入のみ」でしょう。

それはなぜか?
前例のように「いつ・誰が買ってくれるかわからないから」です。
特に大規模店は来店される全員を購買層として見ているため、その中のおひとり様だけを優先することはできません。同様の理由で、値段交渉を断るお店も多いと思います。ましてや来客数がとても多いので、予約などを受け入れるとパンクしてしまいます。
すべて1点ものであるため、返品や交換に応じる店もあまりないでしょう。状態を自分で確認して購入する中古品の購入は、現物を見ることができない通販などと違ってクーリングオフの対象にもなりません。
すべての理由は「1点ものだから」です。
「その時、その状態で、その値段で、そこにあるもの」
それを自分の天秤にかけ、「今」購入するかどうかを見極める。それが中古購入の醍醐味です。

もちろん、いちばん望ましいのは「状態が良く、安い」ものでしょうが、それでは天秤のバランスが悪く、希望しているものに出会うこともなく、なかなか購入につながりません。そこから求めているアイテムにより「安ければいい」にハードルを下げる人もいますし、「状態が良ければ高くてもいい」という条件のハードルに切り替える人もいます。
「あの時、買っておけばよかった」という後悔はつきもの。逆に、一時の物欲で購入して「どうして買っちゃったんだろう」と後悔することも多々あります。「もっと状態を確認すればよかった」という例もあれば、「あとから行った別の店の方が安かった!」ということもあるでしょう。
しかし、その方がその店でその品物を買ったこと、それこそは中古品特有の「出会い」なのです。たまたま出会った一期一会と同じことなのです。
そして、出会っておきながら購入できなかったものは、再び出会える確率はかなり低いのです。それこそ一期一会のご縁のように……。
昔から、カメラやレコードのマニアの間で言われている格言があります。
「買わずに後悔するより、買って後悔しろ」
「迷った時は買い時」
これらは、もともとは新品に対する格言ですが、現在は中古品の世界でもコレクターの格言とされています。
コレクションする気がなくても、これはすべての中古品にも言えることではないでしょうか。

「その時に欲しいもの」は、その時がすべて。
買わずにいれば、そんなに欲しくはなかったと思い直すこともあると思います。
迷って購入したあげく、あまり気に入らなかったものでも、使っていくうちに愛着が湧くケースもあるでしょう。せっかくの縁で手もとに来たアイテムですから、使ってあげるのは最良の手段です。
現代は、中古買取店が多くあります。もし購入したものが不要に感じたら、売却してしまうという選択肢もあります。購入と売却、その差額の損失こそありますが、ダメージを軽減させるという考え方もできるでしょう。
知り合いや近親者にプレゼントするのも手です。購入した方が、買うまでに至った良い商品なのですから、近しい人には感性や価値観が合う可能性もあるのではないでしょうか。
お客様の中には「買ってしまった失敗例として、持ち続ける」という方もいらっしゃいました。自分の決定力を磨くために、教訓さながらに飾っておくそうです。
しかし何より、そうした葛藤も「買えなかった」場合では味わえないもの。
そんな「出会い」は、中古品ならではの楽しみ。いっそ飛び込んでしまうのも、いいかもしれんませんよ。