メッキ製品の刻印について

「えっ? これは金じゃないの?」

買取店では、そんな声をいただくことがよくあります。
お客様がせっかくお持ちいただいたアクセサリーなどに、ひと目でメッキだとわかってしまう刻印がされていて、がっかりされてしまう……信じきれずに検査をお願いするお客様などもいらっしゃいますが、残念ですが、最初から「これはメッキです」という意味の刻印があるのです。

たとえば「K24GP」や「K18GF」といった表記を見たことがありませんか?
この「GP」「GF」はメッキ刻印の代表格とも言えるもの。特に立派そうな金杯や、かなり前のネックレスなどに刻印されていることが多く見受けられます。
これらの「GP」や「GF」こそが、メッキを意味しているのです。
当時のメッキ製品は技術面や長期保管の関係で、表面にサビが浮いてくることがあります。実はこのサビがたくさん見られる時点で、多くがメッキと判断できます。
なぜなら貴金属(特に金)にはサビが発生しません。サビは鉄や銅などに発生しやすいので、それら金以外のものを混ぜた比率が高いと、サビが発生する要因が増えます。そのため純度の低い金やメッキ製品にはサビが浮きやすく、全体の75%に金を使用している18金も、残り25%の成分によりサビが浮くことがあります。

サビの直接的な原因は、使用による皮脂汚れや汗。それらを放置すると混ざりものの成分が反応し、サビが発生します。そのため使用後は「除菌シート+乾拭き」のお手入れをしたいものです。
メッキ製品はごくごく表面にだけ金を使っているので、99%以上の成分は一般的な金属。よってサビの可能性はいっそう高まります。現在はサビの発生を抑えるため厚塗りメッキを施したり、ロジウムメッキで表面コーティングしているものも増えています。

それでは、主なメッキ刻印の種類と意味を見ていきましょう。
これらの刻印は頭文字などをとっており、多くはメッキに使用した金質表示(K18など)の後ろについています。中には前につくものや少し離れた位置につくものもあるので、要注意です。
また金を意味する「K」はメッキの場合、数字の前後どちらにも配置されることがあります。特に「18K」などと後ろにつく場合は「アトK」と呼ばれ、以下のメッキ表示がなくても、それ自体がメッキ表示を意味していることがあります。
【主なメッキ表記】
「GP」(Gold Plated):金メッキ
「GF」(Gold Filled):金張り
「GS」(Gold Shelled):金張り
「GR」(Gold Rolled):金張り
「RGP」(Rolled Gold Plated):金張り
「GT」(Bright Gold-Plated) または (Gilt Gold-Plated):金箔張り
「GE」「GEP」(Gold Electro Plated):電気式金メッキ
「HGE」(Hard Gold Electroplated):電気式金メッキ
「WGF」(White Gold Filled):ホワイトゴールド張り
「PTP」(Platinum Plated):プラチナメッキ
「PTF」(Platinum Filled):プラチナ張り
「PP」(Platinum Plated):プラチナメッキ
「PR」(Platinum Rolled):プラチナ張り
「RH.P」(Rhodium Plated):ロジウムメッキ張り

 

たとえば「18金メッキ」の場合は「K18GP」「18KGP」「GP18K」などと刻印されます。
金を意味する「G」が省略されている場合もあり、「18R」と刻印されたものもあります。

これらは英文字の略称であり、金質表示の前後に付属するので比較的わかりやすい部類です。
中には、注意して見ないとわかりづらいものもあります。

「1/20」:1/20の厚さで圧着させた金メッキ、または金張りの意味
(メガネフレームや金杯などに多く、たとえば14金使用の場合「K14 1/20」と刻印される)

「M」:M (ミクロン) 単位の厚さでメッキが施されている、という意味
(数字がつく場合もあり、「3M」であれば「3ミクロン単位の厚さのメッキ」という意味)

【注意が必要な他の刻印】
「PW」(Pewter):スズ、鉛、真鍮、銅などの合金
「PWG」: 上記の合金を金(Gold)で艶消ししたもの
「PWS」: 同じく上記の合金を銀(Silver)で艶消ししたもの
「SPM」:「サンプラチナ (Sun Platinum Metal) 」の略で、プラチナではなくニッケルやクロムの合金
「Pb」(Plumbum):鉛(なまり)
「Pd」(Paradium):パラジウム

また、貴金属の品位とともに、メッキや外張りの刻印が施されている場合もあります。
たとえば「K10 18KGP」の場合、10金を18金でメッキしたという意味になるので、本体自体はあくまで10金です。
特にシルバー製品の金色コーティングに金メッキが用いられることが多く、たとえば「925 K18GP」と刻印されている場合、本体は貴金属の中では廉価な銀(シルバー925)であることに要注意です。
皿にはスズなどの合金にメッキ処理を施して「PW Pt900PTP」と刻印されたものは、もちろん本体はプラチナではなく合金。そのように色味が似たメッキを施すことが多くあります。
基本的に、「金質以外の刻印があると、メッキの可能性がある」と考えたほうがいいかもしれません。

なお、メッキは非常に薄く伸ばされて金属の表面を覆っています。
金箔をご覧になったことがある方であれば察しがつくと思いますが、メッキは全体を削ぎ取ったとしても、到底1グラムにも満たない、貴金属として軽量できないほどのわずかな微量しか取れません。もし製錬にかけても、キロ単位のメッキアクセサリーから、数グラムしか抽出できないと聞きます。
そのためどの買取店でも、貴金属として買い取ることはできないのです。
もしも「メッキ買取OK」を掲げている買取店がある場合「ブランドもののメッキ」を意味したり、「金かメッキかわからなくても、まとめて持ってきてください」の意味だと考えたほうがよさそうです。

アクセサリーが多様化し、服飾店でもお手軽なメッキ製品も好まれている時代。
お手入れすれば長く使えますし、廉価なので使い捨て感覚の方も多くなっています。
以前は貴金属アクセサリーを愛用していたものの、メッキ製品を好んで着用されるようになったお客様は「何より、なくしてしまったときの心理的ダメージが少なくて済む」とおっしゃっていました。
メッキ技術が進歩している現代、アクセサリーとしてならメッキ製品で充分かもしれませんね。